1. 木村泉先生/ワープロ徹底入門
岩波新書 16 1988年3月
パソコンでワープロ機能(ソフト)が使えるようになってきたころの話が中心かと思う。
- K. B. 配列の比較など、興味深い。(5章 キーボードをめぐって) 専用ワープロではなく、PC98上の一太郎(第二、第三版)を使って書かれた。
翻訳書の多い木村先生だが、これは翻訳ではない本のひとつだ。
この本より前から日本語入力を研究されていたはずだが、かな文字を使った手紙をいただいたことくらいしか 思い出せない。あとはマクロ方式のかな漢字変換とか、漢字コードの話とかがあるはずだ。
1.1. PC環境
以下は自分の環境の話です。K. B. の話を除き、ほぼ余談。
メインフレームでは行単位の入出力しかなくて、単語単位の変換が使えない。不便でした。
- マクロ方式のかな漢字変換をテーマに修論を書いた髙木茂行君はもういない。
パソコンといってもほぼ PC9801 (NEC) です。(V30という Intel 互換チップ利用)
- 1985年7月発売とある。10MHzだった。当時としては大容量の384KB (増設カードで1MB増設した。)
Dvorak配列が日本語入力と相性がいいということで、最初は 粕川さんの作られたアダプターを借りて、PC 9801本体とK.B.との間に挟んで利用した。 のちにK.B.ドライバ(ソフトウェア)に置き換えて、いろんな配列を楽しんだ。
CとKを入れ替えるといいという話をしていただいた。(今だったら、DとKを入れ替えるのがいいかとも思う。)
Dvorak配列はミニコンの時代から常用しており、Linuxを使っているいまも常用している。
1.2. 端末
PCはメインフレームのTSSを利用するための端末としても機能します。
- 高い端末専用機を買うよりも、PCに端末エミュレータを載せた方がずっと安い。
しかも、端末エミュレータはサイトライセンスで安価に入手できた。(のち、学内開発のものも配布)
1.3. 日本語エディタ
当初は木村先生に倣って、 管理工学研究所の「松」、ジャストシステムの「一太郎」などを MS-DOSで使った。
津田塾大の小川貴英さんのSSE日本語エディタが公開されてからは、もっぱらSSEで日本文を作成していた。
1.4. メインフレームでの日本語入力
ワープロ、PC以前はメインフレーム端末でローマ字入力し、行単位でかな漢字変換して、日本語文の作成を行なっていた。
- カナ表示可能な端末は存在した。漢字表示可能になったのはいつか。 1985年以前 (1980年ころから)
行単位の入出力という制約があった。バッチ処理的な変換に頼ることになる。
- 結果的にローマ字入力だけは高速になるが、正しく変換できたかの確認が行単位であり、
- その場でやりづらいという問題が起こる。
マクロ方式のかな漢字変換をテーマに修論を書いた髙木茂行君はもういない。
パソコンを購入するの理由のひとつに文字単位の入出力ができることがあった。